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これまでの半導体のダイシング工程はダイヤモンドブレードによる研削加工がほとんどだった。しかし、半導体の高速・高機能化、省スペース化への対応で、従来のブレードでは加工が難しい材料が増えてきている。そこでディスコが取り組んだのが、レーザによる加工であった。
■ディスコのレーザ開発

「レーザでのウェーハダイシングについて調査して、半年後に報告してください。」
2001年、2人のエンジニアは、技術開発担当役員から突然そう告げられた。ディスコにとって、レーザによるウェーハ加工はまったく未知の領域であり、当然、調査を命じられた2人もレーザについてはまったくの素人だった。
ディスコは創業以来ダイヤモンドブレードを作り続け、その性能を最大限に活かすダイシングソーと共に、世界で圧倒的なシェアを誇っている。そのディスコが、あえて未知の分野であるレーザを研究するのには当然理由があった。
当時のディスコは、近い将来に普及が確実視されるLow-k膜付きウェーハの加工について頭を抱えていたのである。実際にはブレードでも加工はできる。しかし、加工ができるといってもたった3㎜/sec程度の加工速度でしかなく、一般的に数十㎜/secを要求されるダイシング工程で使うことは難しい。
そこで、ディスコがブレードに代わる新たな加工方法として目を付けたのが、レーザによる加工であった。
■プロジェクト発足

特命を受けた2人のエンジニアは、未知のレーザについて研究するために文献を読み漁り、自分たちでレーザヘッドを調達し、試験装置も自ら組み立て、実験に没頭していった。
そして半年後の2002年の初め、2人の研究の結果を受け、正式にレーザソーの開発プロジェクトが発足した。メンバーはメカ設計2名、電気設計2名、ソフト開発1名、アプリケーション開発4名の合計9名でのスタートだった。
プロジェクトに与えられたミッションは「2002年のセミコンショー※に稼動可能な実機を展示する」というものだった。ダイシングソーやグラインダは通常1年ほどで装置開発を行う。しかしこのプロジェクトでは1年足らずで、しかも今まで開発したことのない未知の装置を開発するという非常にチャレンジングなものだった。しかし、プロジェクトメンバーは、「ディスコが出展する以上は下手な装置は出せない。」と奮起し、開発に取り組んだ。
※セミコンショーは世界8カ国で開催される半導体製造装置・材料メーカが一同に集まる業界最大のイベント。特に12月初旬に日本で開催されるセミコンショーは、同イベントで最大の規模を誇る。メーカ各社はこのセミコンショーを軸に開発スケジュールを決めているといっても過言ではない。



















