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ニュースリリース


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2016年8月8日

SiCウェーハの高速生産・素材ロス大幅低減を実現
新たな加工手法によるレーザスライス技術・KABRA(カブラ)®※1プロセスを開発

※1:特許出願中(関連40件・8月8日時点)/商標登録済(登録第5850324号)

半導体製造装置メーカー・株式会社ディスコ(本社:東京都大田区、社長:関家一馬)は、従来にないレーザ加工によるインゴットスライス手法「KABRA」プロセスを開発しました。本プロセス導入により、次世代パワーデバイス素材として期待される炭化ケイ素(SiC)ウェーハ生産の高速化、取り枚数増を実現し、生産性を劇的に向上させることが可能になります。なお、客先ワークによるテスト加工を既に開始しております。

【開発の背景】

従来、SiCインゴットからウェーハを切り出す方法は、ダイヤモンドワイヤソーでの加工が主流でした。しかしSiCは硬質であるため加工に時間がかかる点と、切断部分の素材ロスが多く、インゴット1本あたりの取り枚数の少なさといった課題から、ウェーハ量産のためには多数台のワイヤソーが必要でした。これらがSiCパワーデバイス生産時におけるコスト高の大きな要因となっており、ひいては市場への導入・普及の妨げのひとつとなっていました。

【KABRAプロセスの特徴】
本プロセスは、SiCインゴットの上面からレーザを連続的に垂直照射することで、光吸収する分離層(以下KABRA層※2)を任意の深さへ扁平状に形成させ、このKABRA層を起点に剥離・ウェーハ化するという従来にないスライス加工方法です。
レーザ照射により形成される改質痕は、原理的に入射方向(縦長)に伸びるため、従来、レーザ加工はスライス用途には不向きな手法でした(Fig.1、a)。しかし当社は、集光されたレーザによりSiCが分解され、アモルファス状態のシリコン(Si)とカーボン(C)に分離する現象と、アモルファスカーボンの光吸収係数がSiCの約10万倍あることに着目して開発を進めました。その結果、インゴット内部に対しレーザ入射方向と垂直方向にKABRA層を形成することに成功※3、スライス加工に最適なレーザ加工方法を見出しました(Fig.1、b)。
なお、本プロセスは単結晶(4H・6H・半絶縁性)および多結晶のあらゆるSiCインゴットに適用でき、単結晶ではそのオフ角を問わないことも大きな特長です。
Photo1:剥離後のウェーハ(φ4 インチ)
Fig.1:改質痕形成方向の違い

※2:Key Amorphous-Black Repetitive Absorptionの略。連続的なレーザ照射により、SiCをアモルファスシリコンとアモルファスカーボンに分解後、黒色のアモルファスカーボン(Amorphous-Black)へ効率的に光吸収させることで剥離の基点となる層を形成することを現します。
※3:特許出願中

【KABRAプロセス・フロー】
① レーザ照射でインゴット内部にKABRA層を形成
② 剥離、ウェーハ化。指定厚仕上げ研削へ
③ 次のレーザ照射のためにインゴット上面を研削
上記①~③を繰り返し、ウェーハの切り出しを実施
 
(既存プロセス例・ダイヤモンドワイヤソー)
Fig.2:KABRAプロセスと既存プロセスとの加工時間比較
φ4インチ、厚さ20mmのSiCインゴットから、指定厚350µmのウェーハを
生産する場合。既存プロセス:ユーザヒアリングに基づく一般値)
【アドバンテージ】
Photo2:剥離後のウェーハ(φ6 インチ)
1.加工時間の大幅短縮
従来、φ4インチSiCインゴットからウェーハを切り出すまでの加工時間は、1枚あたり2時間前後(1インゴットあたり2~3日)※4、5でしたが、本プロセスでは1枚あたり25分(同、約18時間)※6へと大幅に短縮します。
また、φ6インチの場合も、既存プロセスで1枚あたり3時間強※5だった加工時間を約30分※6に短縮可能です(Photo2)
2.ラップ研削工程不要
ワイヤ加工の場合、ウェーハ表面に生じる50µm程度※5のうねりを除去するためのラップ研削が必要でした。しかし本プロセスでは、剥離後のウェーハのうねりを抑制できるため、ラップ研削は不要です(Fig.2)。これによりイニシャルコストおよびランニングコストの大幅な低減が可能です。
3.ウェーハ生産枚数が1.5倍に増加
ワイヤ加工では切断部分の素材ロス(カーフロス)がウェーハ1枚あたり200µm程度※5ありますが、本プロセスでは切断時点での素材ロスはありません。また、剥離後のKABRA層の除去分は100µm程度に抑えられるため、インゴット1本あたりのウェーハ取り枚数は、従来比約1.5倍となります。
※4:φ4インチ、厚さ20mmのSiCインゴットから、指定厚350µmのウェーハを生産する場合
※5:ユーザヒアリングに基づく一般値
※6:レーザ照射、剥離、インゴット研削の合計時間

Table1:KABRAプロセスの優位性
φ4インチ、厚さ20mmのSiCインゴットから、指定厚350µmのウェーハを生産する場合)
既存プロセス※7 KABRAプロセス※8
切断加工時間 2~3日 10分(レーザ照射+剥離)
インゴットスライス総加工時間(1枚あたり) 1.6~2.4時間 25分
切断時素材ロス(1枚あたり) 約200µm なし
研削に伴う素材ロス(1枚あたり) 約100µm(両面ラップ研削) 約100µm(加工痕研削)
1インゴットからのウェーハ取り枚数 30枚 44枚
ラップ研削 16時間(多枚同時加工) 不要
1インゴットあたり総加工時間 2.5~3.5日 18時間
※7:遊離砥粒型ダイヤモンドワイヤソー(30本マルチ)で切断後、ラップ研削を行なう場合。
        数値は全てユーザヒアリングに基づく一般値
※8:当社数値は本リリース時点

【代表取締役社長兼技術開発本部長 関家一馬のコメント】

KABRAはレーザ照射にてSiCをシリコンとカーボンに分離させることで、照射点から面状に剥離の基点となる層を形成するという、今までにない方法によって生まれたプロセスです。本プロセスが多くのウェーハメーカ等に採用されることで、SiCパワーデバイスの普及が促進され、省エネルギー社会の本格的な実現に近づくことを期待します。

【今後の展開】
  • テストカット・有償加工:本社・R&Dセンターにて随時受付・実施中
  • 学会登壇:2016年9月 精密工学会秋季大会・学術講演会/応用物理学会秋季学術講演会
  • SEMICON Japan 2016出展:2016年12月14日~16日 KABRA専用機初公開(予定)
【ディスコの強み】

精密加工装置メーカーである当社は、開発した加工技術を自社内で装置にまで展開でき、研究開発向け、量産向けなどお客様の用途に応じた装置開発・製品化が可能です。さらに、装置導入にあたってはお客様にご満足いただけるまでテストカットをおこない、最良な加工条件の選定を実施。納入後も、18カ国・地域、50拠点超の専任エンジニアによる迅速なサポートで、お客様の製造プロセス革新に貢献いたします。

【関連特許】(2016年8月8日時点)

特開2015-223589、特開2016-062949、特開2016-111143、特開2016-111144、特開2016-111145、特開2016-111146、特開2016-111147、特開2016-111148、特開2016-111149、特開2016-111150、特開2016-127186、特開2016-124015
特願2015-023576、特願2015-023577、特願2015-023578、特願2015-028509、特願2015-078028、特願2015-078029、特願2015-078030、特願2015-079711、特願2015-083642、特願2015-083643、特願2015-112316、特願2015-112317、特願2015-114581、特願2015-139679、特願2015-141898、特願2015-141899、特願2015-144350、特願2015-144351、特願2015-160848、特願2015-160849、特願2015-181950、特願2015-222369、特願2016-001647、特願2016-001941、特願2016-076734、特願2016-078613、特願2016-111163、特願2016-116126

【KABRAシンボルマーク】
  (参考情報)“KABRA”命名の由来とシンボルマークについて
お問い合わせ
株式会社ディスコ 広報室
電話: 03-4590-1090
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