後工程プロセスの自動化を推進する「並列加工搬送システム」を開発

半導体製造装置メーカー・株式会社ディスコ(本社:東京都大田区、社長:関家一馬)は、SEMICON Japan 2017にて参考出展した「並列加工搬送システム」を、既存の後工程装置ラインにより導入しやすくするためにバージョンアップしました。スペースの有効活用と搬送量増への対応を両立しながら、後工程プロセスの自動化を推進します。SEMICON Japan 2018(12/12-14:東京ビッグサイト)にて本システムを参考出展します。

開発背景

半導体製造プロセスのうち、ウェーハ全面に対して加工をする前工程は処理時間が短く、複数枚ウェーハを収納するカセットの搬送頻度が高いため、自動搬送が普及しています。一方ウェーハ内に形成されたチップに対して個別に加工を行うダイシング以降の後工程は、前工程に比べて処理時間が長いため、装置間のウェーハカセット搬送は、オペレータによる手動が一般的です。
後工程プロセスのこのような状況に対する自動化推進の提案として、当社は2017年に並列加工搬送システムを発表しました。当システムは、カセット単位ではなくウェーハ単位の自動搬送方式を採用することにより、スループット向上、ヒューマンエラー防止、装置稼働率向上などを低コストで実現しました。しかし一方で、装置後部スペースへの設置により増加するフットプリントや、ベルトコンベア搬送における搬送量増減への追従不足という点に課題がありました。

SEMICON Japan 2018で参考出展する本システムでは、これらの課題を解決しています。

※主にOHT(Overhead Hoist Transfer:天井走行式無人搬送車)で運ぶAMHS(Automated Material Handling Systems:自動搬送システム)が採用されています

並列加工搬送システム Ver.2
図1:並列加工搬送システム
AGV Automatic Guided Vehicle/無人搬送台車
専用レーン AGVが走行する通路
専用トレイ 搬送時にウェーハを収納するトレイ
エレベータユニット カセット内のウェーハを1枚ずつ取り出し、専用トレイにロード/アンロードし、AGVとの受け渡しを行うユニット
加工装置 専用レーンに接続可能な装置(ダイシングソーやレーザソーなど)

並列加工搬送システムの特徴

  • 装置上部空間の有効活用可能
    ウェーハ搬送用のレーンを装置上部空間に設けているため、装置が占める面積以上のフットプリントはほぼ不要です。また、既存装置上部に後付けできるため、プロセスや処理能力に合わせた導入が可能です。
  • 搬送量の変化に対する追従性向上
    ウェーハ搬送にAGVを使用するため、ベルトコンベア搬送よりも搬送経路をフレキシブルに設定できます。AGVのすれ違いや追い越しが可能なレイアウトにすることで、加工優先度の高いウェーハを先に処理するなど、状況に応じた搬送が可能です。また搬送量の増減を、AGVの台数でコントロールすることもできます

お問い合わせ

株式会社ディスコ 広報室


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