2024年度上期は、PC・スマートフォン・民生機器等、最終製品需要の停滞により、量産用途向け半導体の設備投資は回復が見られない一方、生成AI需要の拡大を背景に高性能な半導体向けの設備投資意欲が高まるなど、用途によって強弱が入り混じる状況となりました。
このような事業環境下において、当社では付加価値が高い製品の需要が増加したことを受けて工場はフル稼働が継続し、グラインダを中心に精密加工装置の出荷が高水準で推移しました。為替の恩恵に加え、高付加価値案件の増加、PIM活動による付加価値創出・原価低減などによりGP率は70%台まで向上し、大幅な増収増益となりました。
株主還元につきましては、配当方針に基づき1株あたりの配当金を124円とさせていただきました。(中間配当金としては過去最高)
依然としてPC・スマートフォン等、最終製品需要の回復が見通せないことに加え、EV(電気自動車)シフトの鈍化による設備投資の一服感も見られるなど、半導体市場に不透明感が残る状況ですが、生成AI関連向け装置の出荷は高い水準で推移すると見込んでおります。
半導体市場は好不況の波を受けますが、用途の拡がりと技術的進化が継続していくことを踏まえると、長期的な視点で技術開発や生産能力を強化していくことが重要です。
生成AI向け高性能半導体の製造に関わる技術は10年以上前から取り組んでいた開発テーマでした。新しい技術が市場で立ち上がるタイミングを予測することは困難ですが、対応力を高め続けることが結果的に折々で必要とされる需要に応えることになると考えております。お客様からいただく技術開発テーマが今後さらに増えていくことを見据え、羽田R&Dセンターの新棟建設や生産能力の強化を進めてまいります。
引き続き「高度なKiru・Kezuru・Migaku技術」に全力で取り組むことで、ステークホルダーとの価値交換性の向上を図ってまいります。
今後も企業理念である「DISCO VALUES」やWill会計、PIM活動など、組織経営と事業経営の両面に尽力し「会社を強くする」ことで企業価値向上に努めてまいります。
ステークホルダーの皆様におかれましては一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2024年12月
代表執行役社長 関家 一馬